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2009年「すべての人の社会」3月号

日本障害者協議会  Japan Council on Disability

09年3月19日更新

すべての人の社会3月号の写真

VOL.28-12 通巻NO.345


巻頭言 生き難いからこそ求められる社会への信頼

日本障害者協議会理事
赤平 守

2月19日、全国社会福祉協議会の「地域におけるセーフティネット推進セミナー」で「罪を犯した障害者の支援のあり方」と題して、話をさせていただきました。

このセミナーに参加されたのは、救護施設や更宿施設、身体障害者更生施設、婦人 保護施設等の職員の方々です。そして、これらの施設を利用されているのは、生活保護受給者であったり、DVの被害者であったり、ホームレスであったり、まさに昨年私が連載させていただいた人たち同様に「生き難さ」を抱えた人たちでもあります。

「生き難さ」とは何を指して言うのでしょうか。

障害者基本法の第2条(定義)には「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」という文言があります。これは取りも直さず「生き難さ」の定義とも言えるのではないでしょうか。

現在、生活保護受給者数は160万人とも言われ、完全失業率が7%を超えるかもしれないという予想も出されている今、その数は増加の一途を辿りそうです。また、DVについても内閣府の調査によれば、配偶者間の女性被害だけでも「何度もあった」という回答は1割を超えます。まさに住みにくい、生き難い世の中になったとでも言うのでしょうか。

だからと言って、たとえどんな時代がやって来ても、個人の尊厳が奪われていい訳はありません。しかし、人間が「個人」を意識するのは、人間同士の関係性があってのことです。子どもが親子関係(1対1の関係)から第三者との関係を持ち社 会性を育むには対等に相手を信頼し、尊重する関係が必要です。

百年に一度と言われる経済危機の中、「生き難さ」を抱えた人々の増加に伴い、社会構造の見直しとともに、すべての人の社会への信頼、そして人間同士の信頼の意味が問われているような気がします。

音声読み上げ環境に対応した「すべての人の社会」テキスト版を、ご希望の方は以下のアドレスにメールしてください。 office@jdnet.gr.jp


2月の活動記録

視点 高次脳機能障害支援拠点の拡大

東川 悦子

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障害者自立支援法施行後3年の見直しに関する意見書
(別刷資料)障害者自立支援法見直しの基本方針
「障害者権利条約」の拙速な批准は受け入れられません。

2009年元日、年越し派遣村へ

障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会ニュース5

支援法はとんでもない悪法

下川 悦治

東京都の要約筆記者派遣事業の廃止をめぐって

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報告 ニュージーランド研修

インクルーシブな社会の実現に向けてニュージーランドから学んだこと(2)

富永 健太郎

「完全なインクルーシブ社会」の理念と、その背景にあるもの

吉田 岳史

連載

北欧=最近障害者事情PARTU 第3話
ニールスの移動保障

薗部 英夫

エッセイ パラボラアンテナ〔77〕 聖域

花田 春兆

Information

きょうされん寄席・第8回子どもの福祉用具展2009


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