日本障害者協議会 Japan Council on Disability
08年5月31日更新
まちで当たり前に暮らしたい
働いて生活をしたい
結婚をし、家族をもちたい
仲間と交流し、喜びや悲しみを分かち合いたい
障害があっても、人間としての当たり前の要求、権利がある
2年前スタートした障害者自立支援法は、障害のある人たちのこんな素朴な思いをこっぱみじんにした。
働けば給料がもらえる。その給料で自分の生活を立てる。人間としての誇りである。この法律では働くと利用料の負担が求められる。こんなおかしな話はない。年金は、生活保護水準以下の額である。
利用料は働いた時だけではない。食事をしたり、お風呂に入ったり、トイレに行ったりした時、必要な介護を受ければ、利用料が取られる。法律の上では、一割の応益負担である。政府は自立支援のための経費だという、働くこと、食事をすること、お風呂に入ること、トイレに行くこと、これらは障害があるなしに関わらず、人が社会生活の中で営まれる自然な行為であり、権利でもある。
国際舞台では、“障害者権利条約”が発効した。そんな中で、日本の障害者福祉は後戻りし続けている。日本障害者協議会参加の団体に所属する当事者や家族が、働く権利と生活する権利を脅かされ、やむにやまれぬ思いで、利用料の免除申請を行った。人間としての誇りと権利のためにである。
障害者自立支援法は、憲法で保障されている生存権と、幸福追求権、法の下の平等に反するものである。この認識と運動のうねりを日本障害者協議会全体で、共有しようではないか。既に全国各地で、サービスの支給決定内容を巡っての訴訟が起こされている。これらの動きとしっかり連帯し、仲間を支えていきたいと私たちは考えている。不当な法律や支給決定に対し、立ち上がろうとする仲間たちは今後も増えていき、日本社会の根底を突き動かす力となりつつある。
上記の認識に立ち、日本障害者協議会2008年度協議員総会として以下のことを決議する。
記
地域で当たり前に生活することを求めて、サービスの支給決定内容の違法性を提起する訴訟を起こしている仲間たちと連帯して、障害者自立支援法の廃止を視野に入れた抜本的な見直しの運動を更に強めていく。
2008年5月31日 日本障害者協議会協議委員総会一同