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日本障害者協議会 Japan Council on Disability
10年3月16日更新
VOL.29-12 通巻NO.357
日本障害者協議会理事
全国精神障害者地域生活支援協議会理事
加藤 房子
精神保健福祉施策の先進国に行く度に、「じゃ、日本ではどうすればいいの?」と質問を繰り返してきました。答えはほとんど同じ、「政権が代わらないと駄目だ、おまえさん(国民)に選ぶ権利があるんだよ」でした。
昨年はついに政権が代わりました。しかし、自立支援法は大きく軌道修正されてきていますが、自立支援医療は残されてしまいました。何故?どうして? とびっくりです。精神科通院費ばかりではなく、育成医療も更生医療も生活と切り離せない必須アイテムです。長妻大臣は自立支援法違憲訴訟の和解合意の際、「障害者の尊厳を傷つけたことを深く反省…」と言われましたが、だったら何故、医療も補装具などと同じだと考えられないのでしょうか?
多分、厚労省の準備不足か力不足だと思います。医療に踏み込むには、特に精神でいうと医療観察法や扶養問題に手をつけないわけにはいかず、そこまで及ばなかったということではないのでしょうか? 権利の主体当事者であるということの意識が低いのか,行き渡っていないのか……。
応益負担はとんでもないことですが、応能負担だっておかしいと思いませんか? 「子ども手当て」の理念なら、当然、障害ゆえの負担があっては駄目でしょ! 国の義務だと思います。
ともあれ、障害者の権利条約の批准に向けて障がい者制度改革推進会議が発足し、多数の当事者がその構成員になったことをはじめ、いろいろな動きに少し光が見えてきた感はあります。
少々気になるのは、十分に論議が尽くされないような仕組みになっているのではないかと疑いたくなるようなスピードです。自立支援法ができた時、その後に様々な改正が必要になったのは、事前に十分な論議がされなかったからでは?そこのところ「深く反省」が求められますね。
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