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2010年「すべての人の社会」10月号

日本障害者協議会  Japan Council on Disability

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101021日更新

すべての人の社会10月号の写真

VOL.30-7 通巻NO.364


巻頭言  障害者運動の原点に返る

全国腎臓病協議会常務理事
日本障害者協議会理事 金子 智

現在、障害者権利条約の批准に向け、国内法の整備が行われている。そのような状況の中で、私たちを取り巻く障害者施策が大きく変わろうとしているところである。一方障害者自身の考え方や障害者団体の運営のあり方等も大きな曲がり角にきているように思う。

私が所属する団体は、人工透析治療を必要とする腎臓病の患者団体であり、継続した医学的治療が必要な(治療を中断あるいは中止が出来ない)障害者でもある。他の障害者と同一に語れない部分もあるように思うが、医学的な療養環境も含め大きく変わってきたことを最近強く感じる。

結成当時(昭和40年代)は、まさに「命をかけた」戦いであり「活動の成果」が人工透析治療を受け、明日への命をつなげることであった。その結果、先人の「命をかけた」運動の成果で、誰もが透析を受けられるようになった。腎不全により今日明日の命という状況はなくなり、当時誰もが一度は経験した「死の恐怖」を経験しなくて済むようになった。

そして、現在は透析を受けられることが「当たり前」のことになってしまい、医療保険制度、医療費助成制度のことなどには全く関心がない。「透析は無料」が特別なことと感じない患者も多いように感じる。当然のごとく「障害者運動」「患者運動」などという言葉は、拒否することはあっても、ともに力を併せて取り組もうと言う人は少ない。そのような背景の中で組織率の低下、活動家の不足などで活動が停滞していることは言うまでもない。

もう一度、原点に返る必要があるのではないか。誰もが「いつでもどこでも」透析を受けられると言われる一方、「介護ができない」「通院困難」「認知症」などを理由に透析導入を見送るケースも耳にする。また、現在治療を受けている患者の中にも将来治療継続困難な状況になりうる可能性のある患者も多くいる。

私たちが置かれている状況は、決して万全なものではなく、絶えず薄氷の上にいることを忘れてはならない。

音声読み上げ環境に対応した「すべての人の社会」テキスト版を、ご希望の方は以下のアドレスにメールしてください。 office@jdnet.gr.jp


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