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坂戸パソボラ2001年レポート

全国障害者問題研究会(全障研)35回全国大会
「パソコン・情報アクセス分科会」発表レポート

2001年7月29日 更新


坂戸パソボラその後と今後

坂戸パソコンボランティア 岩渕正樹 

 昨年レポートした「坂戸パソコンボランティア」の追跡レポートです。果たして、昨年課題だったことはクリアされたでしょうか。新たな課題は無いのでしょうか。

 ・・・と、去年と同じ書き出しでレポートを始めるわけですが、それもまた大事なことなのです。パソコンボランティアはパソコンという、まだまだ“こなれていないもの”にまつわるサポートですから短期決戦、一発勝負、“これにて一件、らくちゃーく」とはまいりません。当初の要望はクリアしたとしても、パソコンは進化(いや、進化とは言いきれないこともあるな、変化かな)しますし、使い手の要望もまた成長します。パソコンが分かってくればもっともっと先を知りたくなるものです。パソボラでは、その場のサポートも大事ですが、継続したサポートもまた大切なのです。

 そんなパソボラですから、継続した報告、そして、報告の追跡もまた大切です。全障研大会「パソコン・情報アクセス」分科会へのレポートは、息も絶え絶えに全力疾走を続けている中にあって、年に一度、自らの活動を見直すのいい機会だと思っています。走りながらの見直しなので、ますます息ハァハァではありますが。

 ちなみに私。今年は例のIT講習の講師とやらで1ヵ月間出張があり、坂戸には1週間前に帰ってきたばかり。朝の9時から夜の10時まで一日3講座を連日という、講師にとっては悪夢でしかないハードなスケジュールをこなしながら坂戸パソボラにメーリングリストを通じて参加していたという状態だったので、資料集に載っているレポートは完成されたものの提出ではありませんでした(言い訳です)。分科会当日までにはバージョンアップするつもりですので、坂戸パソコンボランティアやこのレポートに興味を抱かれた方は、http://www.minikuru.net/emanon/skd/をご覧ください。このレポートの改訂版に加えて、坂戸パソボラ関連のアレコレも置いてあります。

 云々と、大会の資料集には締め切り日の関係で載っておりますが、既に1ヵ月と1週間前ですね。もう、秋の講座の予定が入って来て、またしても消耗させられそうです(アハハハハ)。

 さて、昨年を振り返って、課題がどのように進展したか、進展しなかったか。さらに詳しくは、分科会での質問や意見を受けてバージョンアップをする予定ですので、ここでは順不同で列挙します。

1.結論や課題が明らかになる例会や話し合いの場に!

 “例会もまた交流の場”であることはそのとおりなんですが、話し合いをするからには、結論を見い出さなくてはいけないはずです。でも、話し合わなくてはならない議題や課題が多いこともあって、ともすると次回持ち越しの中で結論がうやむやになったり、話題が自然消滅してしまうことがあります。そうならないためには、

  • 司会者と書記をキチンとおく(会の代表以外のメンバーが望ましい。司会をしながらだと質疑に参加しにくいし、落ち着いて答える時間が取りにくいから)
  • 司会者は、事前に議題を把握し提示する。また、それ以外の議題の有無を確認する。
  • 例会が始まったところで、その日の議題を明らかにする。
  • 司会者は、次の議題に移る前に、今決まったこと(決まらなかったこと)は何かを明らかにすることで、決まったこと(決まらなかったこと)を参加者に再確認させる。
  • 書記は、メーリングリストで例会報告が出来るような一定の結論となっていないまま議事が先に進むような場合には、書記としてストップをかけ、議事の整理をする。

こんなところでしょうか。皆様の話し合いの場での工夫をお知らせください。

2.メーリングリストや例会以外にも、もっと交流の場を!

 メーリングリストが日常の連絡ルートですので、いきおいメーリングリスト中心ということになります。そうなると、なかなかメールが書けない人が疎外感を抱いているかもしれません。だからこそ、例会で、顔と顔とを合わせた交流が大事なんですが、でも、現在の例会は議題や課題が山積みなので、交流の機会まで、とりわけ楽しい交流の機会まで行きついておりません。去年の10月例会では唯一の議題として「バーベキュー大会」をしましたが、一緒の料理作りを通して参加しているメンバーたちの意外な、というか意外すぎる側面を発見できたことは大いなる収穫でした。これからも、ウエルカムチームを中心として、意識的に交流の場を設けたいと思っています。

3.個別メーリングリストと全体メーリングリストの関連の整理を!

 メールの洪水に大事な話題が埋没しないようにするため、講座やイベントの実行委員会やチームごとのメーリングリストを立ち上げ運用しています。個別のメーリングリストで話し合われていることが、キチンと全体のメーリングリストに報告されるようなシステムを全体の中で確認する必要があります。

4.技術面以外の「メーリングリストでの約束事」の会の中での明確化!

 メーリングリストの使い方では、技術的側面から説明した「約束事」はありましたが、エチケット面からの説明はありませんでした。しかし、あまりにも問題の多い発言を繰り返す参加者がいたことから、この面での「約束事」を明確化せざるを得なくなりました。「サイトに置いてありますので、興味のある方はどうぞ」と書きましたが、坂戸パソボラWebの管理を移管しリニューアルを任せたら会員サイトの中に隠れてしまいましたので、あらためて、見えるところに掲載しなおします。

5.チームの見直しと参加メンバーの再確認!

 色々なチームを作ることで役割を分担したことと、参加できる居場所を多く作ったという主旨は良かったんですが、作ってから1年以上たったところで振り返ると、チームがチームとして機能していないところが増えてきています。また、チーム化した当初は、全員何らかのチームに参加するということだったのですが、今ではチームに参加していない会員も増えています。チームそのものの見直しをすると共に、あらためての再募集をしているところです。

6.視覚講座実行委員会の充実とイベント実行委員会への拡充

 一昨年、去年と埼玉県立盲学校を会場にして行なってきた「視覚障害者のためのパソコン体験連続講座」を、今年は市内の視覚障害者団体の要望を受けて坂戸市内でも開催しました。今までの講座は、パソコンの基本操作、ワープロ、インターネット・メール、OCRの4つの柱を毎回一人の講師の下に参加者全員で一緒に持ちましたが、今回から、参加者一人一人のやりたいことをリサーチする中で、翌月の個別カリキュラムを作成する方式にしました。かなりサポーターの力量の発揮が求められる方式ですが、参加者への事前アンケートに基づいて複数のサポーターを組み合わせを考えた上で配置した結果、とても楽しく和気藹々の講座になったと思います。

 また、今年の講座では、去年の講座の受講者がサポーターとしてデビューしました。まさに、“助けて!から助け手へ!!”ですね。

 加えて、今回の講座は、視覚障害者のパソコン環境に関心のあった人、パソコンのサポートに参加したいと思っていた人が、パソコンサポートの方法を学び、かつ実際のサポートに参加することで、ボランティアとして成長できるようにするボランティア養成講座としても位置付けています。この講座は、8月、9月、10月と続きますが、この講座でサポーターとして育った人が、11月から始まる埼玉盲学校を会場とした「視覚講座」で、ちょっぴりであっても自信をもってサポートに参加できることを期待するものです。また、それぞれの身近な地域からのサポート要請に講座参加者が応えられるようになることも、今回の狙いのひとつです。このあたりの詳しいことについては、講座で用いたテキストと共に、坂戸パソボラとして公開しますので、これから講座を開催したいと考えている各地のパソボラの参考になればと思っています。お楽しみに。

 それから、去年、初めて開催して好評だった「肢体不自由者のためのパソコン体験講座」を今年も7月20日に坂戸市立千代田中学校を会場に開催しました。今年の講座では、初めての試みとして、坂戸市長、坂戸市役所福祉総務課、高齢者福祉課、坂戸市議会の全会派、市内パソコンショップに開催の案内をしました。17通の案内を出して参加したのは共産党の議員が一人だけでしたが、8月4日に開催の中高生を対象にした「夏!パソボラ体験講座」には市長も来るそうです。選挙が終われば、もう少し議員も来るでしょう。障害者のためのIT予算を坂戸市が補正予算の中で審議するとすれば9月議会ですので、それまでに行政や議会への働きかけを強めたいと思っています。

 なお、今までは、「視覚講座」、「肢体講座」、「夏ボラ」といった講座ごとの実行委員会に加えて、「埼玉障害者まつり」、「ふれあい広場」、「パソコンボランティアカンファレンス」、「市民の集い」といったイベントごとの実行委員会がありました。今年は内容や開催時期から考えて、視覚講座実行委員会と、それ以外のものを担当するイベント実行会のふたつにまとめることができました。イベントのほうにも講座が入っていますが、前者が“連続して参加することで学習内容を深めることを追求する講座”であるのに対し、後者は“体験することで出来る楽しさを知ってもらう講座”です。こういった講座もイベントも、その年限りのものではありませんので、蓄積された経験が次回に生きることが大事です。講座やイベントに参加した担当者の声を集約するアンケートを始めたところです。

7.会の運営や個別の手続きを名人芸にしない!

 坂戸パソボラが参加している「坂戸市ボランティア連絡会」を構成しているボランティアグループの運営を見るにつけ、人を育てる大切さを痛感しました。また、自分に何かが起こることで会の運営がストップしてはいけないと思っています。その人に聞けば何でも分かる。任せておけばうまくいく、というのは、実は会としては危険信号なのです。

 今年度の総会では、来年の総会では会則の中に“人事面での交替規定”を設けたいと語るのみに留めましたが、次の世代を育てることは会の役員の大切な任務です。自然に育つのを待つのではなく坂戸パソボラの今後を展望して意識的に育てることが必要なのです。来年のレポートで無事に代表を交替していたら、少なくとも一歩は先に進んだことになります。来年の報告にご期待ください。

8.忘れちゃいけない、坂戸パソボラの技術者たち

 去年のパソコンボランティアカンファレンス2000で注目を浴びた「元田マウス」。そして、今年の前半は、何といっても町田健治さんの「できマウス。」です。3D音声ブラウザを作るにあたっての佐々木Hさんの芸術品も忘れてはいけません。それ以外でも、ミスター“恐竜展”藤崎ziroさんのアイデアだってスゴイし、坂戸パソボラに集っている面々ってスゴイなぁと、去年から今年にかけて感服させられています。考えてみれば、独創性には乏しくても工夫にかけては大国日本の企業戦士たちは都心の近郊都市から通勤しているワケで、坂戸市在住だったとしても何の不思議も無いワケです。提示された出てきたアイデアをいかに実現するかのミーティングでは、あまりにもスラスラと実現する方法が示されるものだから、時として心地好い魔法の呪文めいて聞こえてしまうほどです。6月の入会者も7月の入会者も、坂戸パソボラWebをみて入会を申し込んできた人ですが、いずれもこの方面ではプロの方々です。坂戸パソボラ、どんどん凄くなっていきそうで、先を読まなくても何とかなりそうなほど、楽しみです。

9.それ以外のこととして

 サイトの中で、講座のテキストのみならず、こういった講座を開催するにあたって必要となった各種の「お役所提出書類」も公表する予定です。こういった書類は、おおよその内容が決まった、というか、分かっていただいた段階で、形として必要だから…と提出を求められるのですが、たとえ内容的には形式的なものであっても、その手の書類を出したことのない、一民間人としては、かなりのエネルギーを費やさざるを得ないのです。そういう形だけのものならば、雛形のひとつもあると参考にはなるでしょう(私もホントに欲しかった)

 そのほか、まだまだありそうですが、時間ですので、また補足します。桜井さん、代読をありがとうございました。そして補足をよろしく。

以上 


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